松竹梅

松竹梅というと、
わたしたちの身の回りにありすぎて、
あらためて考えることないですよね。

 

松竹梅は、もともとの中国の文人達の間で
「歳寒の三友」として描かれていたものです。
水墨画の教本をもってるんですが、しつこいほどに、
まずは初歩の手習いとして描かされます。

これらの植物は、みな寒い冬の季節に、
青々とした緑を茂らせていたり、花を咲かせたりするので、
その姿から縁起のいいものとされてきました。

とくに、松の木は寿命が長いということもあって、
仙人の食べ物とされていたらしいです。
たしかに、水墨画にも文人画にも、とにかく松や竹はよく登場しますよね。
梅もそうです。

 

日本でも同様に、中国からの文化が伝わったことで、
松竹梅のモチーフが尊ばれるようになりました。

たとえば、お正月の飾り物である門松。
あれも、「歳寒の三友」として集められた松竹梅が、
一年の初めの日を迎えるにあたって、
おめでたい厳粛な気持ちにさせてくれますよね。

いまでは寒い季節でも、
暖房で部屋の中はいつでもあったか、
冬でも新鮮な野菜やら果物やら、
いくらでも食べられることができます。

昔の人は、冬の季節に食材なんてほとんどなくて、
本当に寒くて辛い季節だったと思います。
真っ白の雪と枯れ木しかない風景の中で生きる人々の目には、
色鮮やかな門松の姿が、
ひときわ美しく映ったことでしょう。