うちでの小槌

千代紙や、着物の和柄って、眺めていると
とっても楽しいです。
着物の柄の本とか、
和柄の文様の本とか、
そういう画集を10冊くらい持ってます。


そういう本の中にも、
おめでたい小槌の絵柄って、よく出て来るんですよね。

いわゆる「うちでの小槌」っていうのは、
日本の昔話に登場してくる宝物です。

わたしでも知ってる、一番有名なお話は、
一寸法師」ですね。
室町時代の『御伽草子』のなかで描かれている物語です。
お椀に乗るくらいの小さな一寸奉仕が、御姫さまにこづちを振ってもらう度に大きくなり、武士として身をたてていくというようなストーリーだったと思います。

 

このほかにも、
金銀を出したり、
背を大きくしたり、
はたまたおいしそうなお料理をたくさん出してくれたり...
とにかく、物語の中で登場する小槌は、
夢のようなことを何でも実現してくれる、万能道具として描かれてますよね。

 

なんですが、一部の物語では、
こづちを手に入れた人物意外の人物が、こづちを借りて、
欲をかいて願いを唱えると、痛い損害をこうむる...という自戒のエピソードも存在します。

うちでの小槌はなんでも手に入る夢のような道具であると同時に、
強欲ぶりをいましめる意味も含まれるのかもしれないですね。
うーん、なるほど。