だるま

まんまるころんとした形がかわいい。
だるまについて、書きます。

小物の中だと、愛らしい姿で描かれているので、
ついつい手にとってしまいます。
ぽち袋とか、手ぬぐいとか。

 

それもそのはず、だるまさんの元となった達磨法師さまは、
中国で禅宗を開いた立派なお坊さま。
自分への厳しい修行を課していて、
壁に向かって9年も坐禅をした結果、手足が腐ってしまったとか。
それで、手足がないんですよね。なんとも恐ろしい。

そんな厳しさと強さがこめられているのが、あのだるまさんの表情なんです。
だから、わりといかつい顔をしているので、
間近で見ると結構コワイ。

 

赤色の張子で作られた、だるまさんは、江戸時代くらいから作られ始め、
宗教を越えて一般に縁起物として人気になったそう。
どことなくユーモラスな感じもします。

 


子供のころ、お正月に目を墨を
書き入れてた覚えがあるんですが、最近はまったく。
あの、目を書き入れる行為は、正式には開眼とよばれます。
年始でもなくても、願掛けが叶ったときや、年末など、
その成就に感謝して目を墨で書き入れるます。
両目を書き入れてお祝いした後のだるまさんは、
そのまま捨ててしまったり放置しないで、
しっかり供養をするのがおすすめです。
初詣のときに、神社などでやってくれるそうです。

以前も書きましたが、
日本の着物って、本当に綺麗です。
うっとりしてしまいます。

 

蓮。蓮の花。
はたして、縁起がいいのか、悪いのか?

 

ちなみに蓮の根と書くレンコンは、
とても縁起のいいお野菜として有名で、
お正月のおせち料理にも欠かせない存在です。
レンコンに開いている穴は、もともと酸素を水中部分まで送り届けるために
開いている通気口なのですが、
その穴がずーっと先まで届いてる状態が、
『先が見通せている』ということで、
縁起がいいという意味になるとされています。

 

蓮の花は、仏教の大切なシンボル。
インドでは、神様は蓮から誕生したとされ、仏像の台座のデザインにも蓮の葉が用いられたり、
ときどき蓮の花も台座になってます。
なのでとてもおめでたいお花として、インドでは結婚式にも用いられるそうです。

 

日本では、仏教=お葬式のイメージだそうで。
つまり、
蓮の花=仏教=お葬式=弔事
と、ネガティブな死のイメージにも繋がっていくんですね。

 

なので、せっかくあんなに綺麗な花なのに、着物の柄にはめったに使われません。

これを知って、結婚式やお祝いの席に蓮のデザインをつけていくと

まずい理由がわかりました。
非常にもったいないです。

 

でも縁起物って、理屈じゃないものですからね。
まわりの人達が、どう感じるかっていう、感覚の問題ですから。

七宝

去年?でしたっけ。正倉院展やっていたのって。
行きたいな〜と思いながら行きそびれてしまいました。

正倉院におさめられている宝物って、
ユニークなデザインが多いですよね。
とくに「黄金瑠璃鈿背十二稜鏡」という鏡があるのですが、
これがまた美しい〜〜...
この鏡の模様が、七宝形と呼ばれるデザインなんですよね。

この七宝文様は、着物や和のデザインとして定番中の定番です。

 

七宝は、仏教用語でもあり、文様の名前でもあり、
工芸の名前でもあります。
なんとなく、ごっちゃになるので、わかりにくいな〜といつも思います。

 

まず仏教用語としての七宝は、七色の貴重な宝玉のこと。
金、銀、ラピスラズリ、水晶、珊瑚、真珠、瑪瑙のことか?なんて推測されてます。
色とりどりで美しいチョイスですよね。

 

また七宝焼という、工芸としての名前は、
釉薬を使った金属工芸のジャンルのこと。
日本だと、桃山時代あたりから七宝が作られるようになったんでしたっけ。

 

文様としても、本当によく日本のデザインに登場します。
とくに縁起ものとして、家紋では大活躍。
輪を部分的に交差させた文様を七宝文様といい、さまざまな派生があります。
またそれをテキスタイルのようにつなげたものを、七宝つなぎともいいます。
とっても使いやすいデザインなので、今でも和風っぽいモダンなデザインの中でよく使われてますよね〜

 

一番最初の定義からとすると、
七宝をすべて連ねたアクセサリーとかも、作られていたりするんですかね。
お守りや守護の意味でも、加わりそう。
いつか博物館などで、見れたらいいな〜と思います。

本日、お友達と出掛けた際に、
ひさしぶりに鯛焼たべました。
それで、そういえば、
鯛も随分おなじみの、おめでたいモチーフだったなって
思い出しました。

 

鯛の縁起...
調べてみたんですが、
ただ単に、めで「たい」としか...


え。これだけ?

 

あまり複雑な由来があるわけじゃないんですかね。
廻りの詳しそうな人にも聞いてまわったんですが、
あとは紅白の鱗の色がおめでたいって
のもあるそーですけど。

 

そういえば、七福神のゑびすさんが、釣り竿と一緒に持ってるのも鯛ですよね。
儀式や贈答用の高級魚として、色々なところでギフトとして贈られます。

たとえば、古希や米寿といった節目となるお祝いに、
長寿の贈り物として、おじいちゃんおばあちゃんに
贈られることもできます。

 

なにより出番が多いのは、結婚式。
披露宴で、おかしら付きの鯛がででんん!と出てきたら、
それに手をつけてはいけないそうです。きちんと持ち帰りの引き出物として家に持って帰るものなんです。
結構最近まで知らなくて、教えてもらったこtです...無知のまま失敗しなくてよかったw
そのほか、生の鯛じゃなくても、鯛かまぼこだったり、
鯛の形をかたどった砂糖菓子が引き出物に出たりもします。
それだけ、鯛の形が昔から愛されてきたってことですよね〜

 

鯛焼の話から思わぬ広がりがありました。
いや〜めでたい。

お雛祭り

そろそろ、お雛祭りの季節。
お雛祭りのひな壇には、縁起のよさそうものがたくさん並んでます。

 

もともと、雛祭りの由来ってどんなものだったんでしょうか。
はじまりはかなり古く、平安貴族の間での厄払いの儀式に源流があります。

貴族たちが、自分の身についた穢れを人形に移し、
川に流し去ってしまうことで、
邪気を祓ったり、厄を落としたりすることが出来ると考えられていました。

ただこれが江戸時代になると、人形自体が美しく華美なものに進化していったため、

だんだんと家に飾るように形式が変わっていきました。
そして、男女共通の厄払いだった儀式も、女の子限定の儀式になっていきました。

 

なので、お雛祭りの本質は、おめでたいものではなく、
厄落としをすることがメインなんですよね。

 

関係ないですが、わたしの中では、雛祭り=桃の花ってイメージがどうしてもあります。

本来雛壇に飾られている木は桜と橘ですが、
なぜか、桃の花を飾るイメージあります。

 

冬枯れの時期が終わり、春の到来をつげる時期に花咲く、桃の花。
あの明るい鮮やかなピンクに、生命力というか、とても前向きなパワーを感じます。
桃の花のかぐわしい香りは、中国では魔除けの効果があるとされていました。
実際、漢方の中にも、桃の葉や実が使われています。

このように、桃には厄よけの縁起があるので、
実は雛祭り本来の厄落としにも、わりと意味が通じるんじゃないかと。

うちでの小槌

千代紙や、着物の和柄って、眺めていると
とっても楽しいです。
着物の柄の本とか、
和柄の文様の本とか、
そういう画集を10冊くらい持ってます。


そういう本の中にも、
おめでたい小槌の絵柄って、よく出て来るんですよね。

いわゆる「うちでの小槌」っていうのは、
日本の昔話に登場してくる宝物です。

わたしでも知ってる、一番有名なお話は、
一寸法師」ですね。
室町時代の『御伽草子』のなかで描かれている物語です。
お椀に乗るくらいの小さな一寸奉仕が、御姫さまにこづちを振ってもらう度に大きくなり、武士として身をたてていくというようなストーリーだったと思います。

 

このほかにも、
金銀を出したり、
背を大きくしたり、
はたまたおいしそうなお料理をたくさん出してくれたり...
とにかく、物語の中で登場する小槌は、
夢のようなことを何でも実現してくれる、万能道具として描かれてますよね。

 

なんですが、一部の物語では、
こづちを手に入れた人物意外の人物が、こづちを借りて、
欲をかいて願いを唱えると、痛い損害をこうむる...という自戒のエピソードも存在します。

うちでの小槌はなんでも手に入る夢のような道具であると同時に、
強欲ぶりをいましめる意味も含まれるのかもしれないですね。
うーん、なるほど。

狛犬

神社や仏閣の入り口のそばに、二体の犬のような像が、
対のように両脇を固めてるのがかわいいです。
かわいいといったら失礼ですね。

でも、地方によっては
かなりひょうきんな顔をしているのもあるので、
ついつい写真に撮って帰ったりしてしまいます。
沖縄のシーサーも、似た所がありますね。

 

最初にこの不思議な生き物が伝わったのは飛鳥時代で、
最初は獅子の姿で入ってきました。
この獅子はrionじゃなくて、あくまで想像上の獅子ですからね。
厳密にいうと、やっぱ違いますね。

飛鳥時代には、左右がおなじ獅子。
平安時代には、獅子と狛犬に変わっていきます。
右側に建っているのが、角がない獅子で、「あ」の形に口を開けている。
左側に建っているのが、角のある狛犬で、「ん」の形に口を閉じている。
これが原形なんですが、そのあとだんだんと簡略化が始まっていって、
いつからか左右おなじ、角が無い狛犬になっていった。という。

 

以前外国の方にあれはなにを象ったもの?と聞かれて、
やっぱり答えるの難しかったです。

結局、獅子と狛犬の違いってよくわからないから。

 

ただ時代によって、作られた形がちがうので、
地方の社などに足を踏み入れたときは、
どんな風なつくりになっているか、
じーっと眺めるのだけならたのしいです。